『東芝 原子力敗戦』読了

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以前読んだのは日経ビジネス編集部による東芝の粉飾会計事件を纏めたモノ。

本著は元日本経済新聞記者のもので、日経ビジネスとは関係なく取材をしているようです。内部告発を情報源としていて、非常に生々しい内部のやりとりが(これらの告発が真の情報なら、という仮定ですが)描かれています。

節目節目の経営判断というのは、歴史が判断するものなので、今の時点から振り返ってあれこれ言うのは確かに東芝旧経営陣にとっては不公平なのかもしれません。とはいえウェスティングハウス買収を始めとした経営判断ミスによる企業価値の毀損、そしてそれを穴埋めするような粉飾会計というのは到底認めるべきではありません。

そうはいいながらも、旧経営陣や原子力へ力を入れていた幹部クラスはみな私腹を肥やそうとしていたわけではなく、経産省に踊らされ、滅私奉公で働いていたサラリーマン達であった、というのも、日本の企業腐敗における他の国のそれとの違いなのかも知れません。

東芝 原子力敗戦
東芝 原子力敗戦
posted with amazlet at 17.12.11
大西 康之
文藝春秋
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