『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』読了

以下のnoteを読んで、積読リストに入っていた本書を読みました。

「日本のヒルビリー」だった私:高井浩章

僕も複雑な家庭環境の上、地方の公立小中高に通っていたので、上記Noteの著者や本書の著者ほど暴力的ではなかったものの、大学に行く選択肢を持たない人が多く、自分がそちら側の人生を選択していたとしても全くおかしくない状況にいたので、非常に共感しました。

実際本書の著者同様、僕の両親や祖父母の世代で大卒は皆無。僕たち孫の世代でも大学に行ったのは3割程度。ましてや海外の大学院を出ている人間はゼロですから...。

幸運だったのは両親ともに自身が苦労したためか、小さい頃から大学に行くのが既定路線的に言い続けた事。自分の中では大学だけが進路では無いと思い、高専に見学に行ったりもしたものの、結果的には親の望み通りの進路に。身近にロールモデルはいなかったものの、親のささえがあってこその今の環境だなぁと思っています。

そしてMBAでキラキラ学歴、職歴の人達と交会うようになってからも若干自分自身の居心地の悪さがあるところも、著者と同様。大きく頷きながら読んでしまいました。社会階層を移動する事の困難さを、本書で改めて認識しました。そして自分がいかに環境に恵まれていたかを。

アメリカでも状況は地域によってもっと酷いところもあり、本書が大きな共感を得たのもわかります。この本は僕のような境遇のものだけではなく、キラキラした人達にこそ読んで欲しい本だと思いました。

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち
J.D.ヴァンス
光文社
売り上げランキング: 10,434