【51】ネチケットも変化する

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筆者が大学に入った当時、まだインターネットというのはそれほど一般的なものではありませんでした。"@"(アットマーク)なんて今でこそ普通に使われますが、当時は電子メールを使う場合でも、そのアドレス(当時はIDと呼ばれてましたね)には"@"はついておらず、単なる英数字の羅列でした。

電子メールの代表的な利点として「場所と時間の制約がなくなる」ということが挙げられます。場所の制約という点では、放浪癖のある(笑)筆者の場合、自宅でも、実家に帰っても、学校にいても、海外旅行中でも、どこにいても同じように自分の電子メールが使えるというのは大変画期的かつ便利なことでした。

時間の制約という点では、とりあえず相手のメールサーバに送っておけば、相手は都合の良いときにそこにアクセスしてメールを読めるわけです。筆者は学生時代は典型的な夜型人間だったのですが、それが早朝型の人と、お互いの生活時間帯を気にせず、気軽にコミュニケーションが取れるわけです。あるいは物理的に時差のある海外を旅行している際には特にこの恩恵にあずかっておりました。

最近は携帯でもメールがチェックできるようになり、また国外でのローミングサービスなども開始されて、電子メールにおける「場所の制約」が更になくなりつつあります。ところがその代わりに新しい意味での「時間の制約」が生まれてきたように思います。メールは本来、時間を気にせずに送ってもかまわないものだったはずですが、最近では携帯でリアルタイムにチェックしている人も多いです。メールが送られてくることが何らかの妨げになるケースも十分考えられるわけですよね。

先日あるメーリングリストに同様の問いかけをする投稿が流れていたのを思い出しました。その時は「メールくらいで堅苦しいこと言うなよな〜、邪魔されたくなかったら電源切っとけば済む話でしょ」と極めて軽率に考えていたのですが、それは元々の、昔の概念における電子メールがそうであったというだけで、今現在の電子メールに与えられている役割とか、それらを取り巻く環境とかを総合的に考えると、そう軽々しく扱うこともできないのかなと思いました。相手の受信環境に合わせた送信心得とでも言いましょうか。

もちろんシステム的に回避することも可能でしょうし、どうすることが一番良いのか結論を出すこともできませんが、筆者がドキッとしたのは「電子メールはこういうものだ」と自分の頭の中で決め付けて、意識的にではなかったにしろ、そういう古い考え方から離れようとしなかった自分の思考がそこにあったという事実です。ちょっと自分の思考に嫌気がさした出来事でした。強く反省。

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このページは、もりもりが2002年7月22日 00:06に書いた記事です。

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