就活総括

今更ですが…University College Dublin Michael Smurfit Graduate Business School留学中のMikiさんからご質問があったので、自分の経験談をまとめてみます。

2008年夏〜12月末
情報源:香港科技大学MBA Career Office、JobsDB.comを始めとした転職サイト、北京で知り合った人々の人脈、卒業生ネットワーク
対象:香港、北京、上海にある非日系企業で、コンサルタント(戦略、マーケティング、IT等)もしくはマーケティング
応募総数:100社以上
結果:MBA Career Office経由で応募したドイツ企業から電話にてケース面接。2次面接には進めず

2009年1月〜3月
情報源:上記に加え、日本人のいる転職支援企業及びヘッドハンターと接触
対象:上記に日系企業を加える。ポジションもソリューション営業、ITプロジェクトマネジメントを加える
応募総数:30社以上
結果:転職支援企業経由で複数社から面接。ヘッドハンター経由で頂いたお話で最終的に決めた

昨年と今年で大きく違うのは、「日本人であること」をウリにしたことです。

理想としては、「日本人であること」、つまり以前RCCな人おーしたさんがコメントに書いてくれましたが、「日本語が出来る」「日本文化、日本の企業文化がわかっている」等をウリにしないで、非日系企業に就職したかったのです。それは自分が意識せずとも身につけてきた能力をウリにするのではなく、意識的に磨いてきた能力を活かしたかったから。

しかし現実はやっぱり厳しくて、それではほとんどお呼びがかかりませんでした。もちろん、折からの金融不況も一つ大きな要因です。しかし何かのせいにしていても何も始まらないので、冬休みの間にもう一度自分の中で優先順位決めを行いました。

その際香港での就職活動は3月までとし、それまでに見つからなければ一旦日本に戻って日本で就職し、海外での就職は暫く様子をうかがう、という方針にしました。3月まで、というのは資金が尽きるぎりぎりだったのです。

そのため、条件を変えて日系企業にも積極的にアプローチしていきました。とはいえ、転職支援企業から頂くお話はMBAを必要としないポジションばかりで、給与パッケージもかなり低いモノでした。いづれも即戦力求む、という求人ばかりなのです。

これは日本人に限らず、中国人クラスメートも北京でオファーをもらったそうですが「MBAは不要、3年ほどの業界経験があれば良いから、それに見合った額しか出さない」と言われて、数千元のパッケージを提示されたそうです…。仕事の内容は面白そうだったし数千元でも北京でなら生活は出来ますが、彼としてはMBAに時間もお金も投資している以上、これはさすがに飲めない、と言っていました。

話を元に戻します。僕が最終的に決めたのは日系のIT企業でした。日本人ヘッドハンターの方からご紹介頂いた案件で、こちらも実はMBA自体は不要でした。パッケージも正直日本で働いていた頃よりもがくんと減ります。もちろん物価の差などもあるので絶対金額だけでは比較できませんが。

それでも、この会社で仕事がしたい、と一次面接の時から感じました。決め手になったのは、以下三点です。

1.日系企業でありながら日本人駐在員がおらず(現地採用の日本人は僕以外に3名)、マネジメントを現地スタッフに完全に信頼して任せている
2.一次面接の香港人女性と二次面接の中国人男性が非常に誠実・優秀で、一緒に働きたいと思った
3.企業文化も日本っぽくなく、欧米に近い感じがした

ここからは、現在就職活動をされている方へのアドバイスです。

香港だけではなく日本でもそうだと思いますが、数打ちゃ当たる、というのもまた方法ではありますが、実際には企業側も複数のエージェントに求人情報流しているので、同じ求人を複数社から提示される事も多いです。そのためあまり多くのエージェントを同時に使っても意味がないでしょう。それよりも信頼できるエージェントを探す方が得策。

また、出てくる求人数がまだまだ絞り込まれているでしょうから、数少ない面接の機会は絶対に逃さないよう、自己分析及び企業分析を怠らないこと。「明日面接に来て貰えませんか?」というお誘いがいつあっても良いように、常に準備をしておくことが大切です。

それから、このご時世経験者が圧倒的優位、というかキャリアチェンジは超至難の業なので、夢は夢として追いかけつつも、現実と向き合うことも大切だと思います。

僕自身、非日系でコンサルかマーケへ転職したかったのですが、かなり厳しかったのと香港での就活は3月までと線を引いていたので、香港で就職することを第一優先順位として、現在のポジションを選びました。

僕のクラスメートでも就活が長引いた人の多くはまだ20代半ば〜後半で、夢を追っても許されるだけの時間がまだあるから。時間をかけられるのなら、じっくり腰を据えて夢のポジションを探す、というのもありです。要は優先順位なわけです。

最後に、これは香港に来てからそう思うようになったのですが、少々日本人らしい謙虚さは無くした方が良いでしょう。僕は一度しか会ったことがない友達の友達とか、卒業生とかに積極的に連絡して、良いポジションがないか聞きまくりました。結果としてそちらから繋がるご縁はなかったものの、それはあくまでも結果。積極的に、能動的に活動するのが非常に重要です。

今年はまだまだ就職戦線大変だと思いますが、己を信じて最後まで信念を貫いた人がやっぱり強いです。是非心が折れないよう適度に心をいたわりつつ、がんばって下さい。