徒然なるエッセイ

『ハゲタカ』シリーズの最新作。ハゲタカファンドマネージャー、鷲津政彦が日本のみならず、中国まで含めての大買収劇の中に巻き込まれます。丁度小説の雑誌連載が2007～2008年の金融危機の最中だったようで、現実が小説を後追いしているような感じです。

本作品では中国の台頭を扱っており、実際に存在するソブリンファンド、中国投資有限責任公司 （CIC）を使って国を超えた企業買収を描いていきます。CICは小説中にある通り、儲けることが第一義的な役割ではないのが不気味なところ。

現実を的確に把握した上でスリリングな経済小説に仕上がっていて、非常にオススメです。物語の締めくくりが香港・IFCというところも個人的には◎（笑）