『ユニクロ帝国の光と影』読了

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以前読んだ週刊文春のレポの前哨戦的な本書。

著者は無理矢理ユニクロや柳井さんを貶めようとしているわけではなく、むしろユニクロのことも柳井さんのことも非常に良く勉強した上で本書を書いています。ここで書かれている疑問の多くは、柳井さん自身書かれた著書群の中で変化していった、だけど外部へは明確な根拠無しで済ませている事ばかり。重要な点はユニクロの営業戦略上の失敗に対して部下に責任を取らせたもののご自身が取っていないことと、後継者問題。これらがはっきり回答が示されていない現状、『柳井商店』と揶揄されても仕方が無いところがあると思います。

後継者問題は柳井さんだけじゃなくて、ソフトバンクの孫さんや柳井さんが尊敬しているという藤田田(日本マクドナルド創業者)や中内功(ダイエー創業者)等も抱えている(いた)同じ悩み。外部から若手を起用してもだめ、企業内大学を作ってプロパーを育ててみるも中々(創業者の)期待通りに育たず...ということで、創業者が還暦を過ぎても現役でビジネスを引っ張っています。ご自身に健康上の問題や事故などが起こった場合のリスクが大きいと思うのですが、その場合どうするかバックアッププラン、体制はあるんでしょうか?

そういう意味ではアップルもマイクロソフトも試行錯誤しながらも上手く創業者がビジネスから引退し、創業者及びその一族以外が上手く経営を引き継ぎました。米国企業で出来て日本企業で出来ないのは、なにか文化的な問題があるんでしょうか?

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)
横田 増生
文藝春秋 (2013-12-04)
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