差別

今日神奈川新聞を読んでいたら、柳美里さんのサイン会が脅迫のために中止になった、という記事がありました。

なんで彼女のところに脅迫が来たかというと、彼女が在日朝鮮人だから。日本ペンクラブなどが彼女の支持に動いたりしているようですが、それと共に、「(脅迫騒ぎが)本のPRのためなんじゃないか?」などというバッシングも増えているそうです。

彼女の親が朝鮮出身であることが、なんで悪いことなんでしょう?僕には、脅迫したり、バッシングをしたりする人間を理解できません。

先週の「Friday」にはSOFTBANKの孫さんが70億円の豪邸を建てた、という話が載っていました。その記事の中では、出来た屋敷に訪れた孫さんのことを「在日朝鮮人の孫会長」という風に書いてあり、文章の最後には、「最近はSOFTBANKの経営も悪化しており、また内部告発もされている。近いうちに着の身着のままでこの屋敷をあとにするんじゃないか?」なんていうひがみ根性丸出しの書き方をしていました。

これを読んだときには金持ちに対するひがみだけかと思っていたけど、柳さんの話を読んで、これは単に成功した者へのひがみではなく、在日朝鮮人であることが絡んでくるのではないかと思ったわけです。

朝鮮人だからといってなんで差別するのか、全く理解できないのです、僕には。だって、同じ人間でしょう。しかも、隣国であり、僕らが戦争で多大な被害を与えてしまった国の人々です。それなのに、戦争が終わって50年以上たっても未だこのような差別意識を持っているのは、信じられません。

関西では朝鮮人が多いのですが、関西大震災の際、朝鮮人学校に日本人もたくさん逃げ込みました。しかし、行政は「朝鮮人学校は各種学校の分類に入り、救援物資を送る対象にはならない」といって救援物資を渡さなかったらしいです。信じられないことです。

その時に援助してくれたのが、韓国の人々です。彼らは日本にいる同朋のために救援物資を送りました。そして、それはそこに逃げ込んだ日本人達にも配られたのです。

こんな国を挙げての差別が許されているのだから、日本という国は大した国です。「朝鮮人は日本人をばかにしている」なんて憤っている人間がいますが、僕に言わせればばかにされて当然でしょう。こんな差別をしているんだから。それで「国際化」しなければ!なんて言っている。国際化する前に、こういう意識をなくしていかなければならないのではないでしょうか?