さて、小室ネタ。まず小ネタから。TM時代、彼らの作詞をしていた「小室みつ子」さん、これは小室哲哉とはなんの関係もないそうです。本人のオフィシャルページを発見して、そこに書かれてました(^^;。よく言われるそうです。そりゃそうだよね(笑)。
で、一時期小室の天下、というくらいに小室が手がけた音楽で世の中が溢れかえっていましたね。最近はまたバンド系の音楽が力を持っているみたいで、バランスの良い感じですが。
小室嫌いな人って、大抵あの曲と歌詞が嫌いだと言いますね。特にメロディーが、どれも似通っていると。使い回しだと。でも、それって小室に限らず、どのアーティストでも好みの「節回し」があって、それがそのアーティストの特徴でもあるんですよね。彼の場合は特にひどいかもしれないけど。それにブルースや演歌の世界では「偉大なるワンパターン」というくらい、ワンパターンじゃないですか。それって必ずしも悪いことではないと思うのです。嫌いな原因としてはよくわかるけど。
僕は彼の曲は結構好きです。売れている原因でもあるのだけど、彼は日本人の好みをよく押さえているでしょう。だから、大衆ウケする、覚えやすいメロディーを多用する。それが嫌われる原因なわけで。でも、僕はそのメロディーは好きなわけです。一日中聞いていたいとは思わないんだけど(^^;。
それに、小室のようなヒットメーカーがいないと、実のところ新人アーティストがデビューしたり、売れないバンドがCD出し続けることも難しいのです。CDというのは、シングルの場合10万枚売れてトントン、らしいです。でも、デビューしたばかり、もしくは大衆ウケしないバンドが10万枚越えるのはそんなに簡単じゃないわけです。だから、レコード会社としては単純に曲を出せばいいというものではなくて、やはりある程度売れる曲を出さなければならない。そこで小室のようなヒットメーカーが売れセンの曲を出して、その売れた利益で若手を育てる、という循環になっているわけです。
そういう意味では、必要悪、とでもいうか(笑)。それはちょっとかわいそうかな。
でも、彼の曲が売れるのは単にメロディーだけじゃないわけです。ブランド戦略、マーケティング戦略もしっかり考えているわけです。だから売れて当然。小室哲哉、というのを一つのブランドとして確立させて、彼が後ろで曲書いて、ギター弾いているだけで歌がうまいとは言えない浜ちゃんですら100万枚の大ヒット。マーケティング戦略としては、最近ではTM復活に合わせて鈴木あみに「Be Together」を歌わせてますよね。あれはもろに若い世代、TMをリアルタイムで聞いていない世代へのアピールですよね。うまいやり方でしょう、あれは。
そこまでコマーシャルに考えているからこそ売れるのであって、別に売れるのは不思議でも何でもない。当然なんですね。
さらに、そういうコマーシャルな部分がないと、なかなか売れない。売れないと好きなようにライブしたり、レコーディングに時間をかけることも出来ないわけです。満足な曲を作るためにはある程度の商業的成功が必要なわけです。そういう意味で、B'zの松本さんなんかは小室流の戦略というのをしっかり学んでいます。自ら公言しているしね、小室さんのやり方は非常に勉強になる、と。日経エンターテイメントでは、吉田拓郎さんが、やはり「小室君と話をする機会があったけど、彼の考えには非常に共感する。音楽の指向性は全然違うけど」と言っていました。拓郎さんは数年間「フォーライフ」というレコード会社の社長をしていたので、そういう部分が痛いくらいわかっていたのでしょう。
ま、音楽業界にはこういう部分もある、ということを知っているのも何かの時に役立つかもしれないと思ったので、書いてみました。みなさんもあまり小室のてっちゃんをいじめないように(笑)。