Amazon.co.jp: 本: 名門アーサーアンダーセン消滅の軌跡―公正な監査とリスク管理のプロ集団に何が起こったか元社員らが書いた内幕ストーリー
今は亡き、Big Fiveといわれた五大監査事務所の一つ、アーサーアンダーセン。その成り立ちから崩壊までを、内部にいた元アーサーアンダーセンの人間がまとめたモノ。
非常に翻訳が悪くて読みにくい。日本語がこなれてないばかりか、どう読んでも矛盾する記述があったり。もうちょっと上手く訳せないのだろうか。
それはともあれ、内容的には、「エンロン事件で悪いコトしたのはごく一部。後はみんな真面目にがんばっていたのよ」という弁解がつらつら書いてある印象が否めない。本当にごく一部とは思いがたい。内部でのモラル崩壊が進んでいたと思われるが、それについては「コンサル部門(現アクセンチュア)と監査部門のごたごたのため」という言い訳をしている。
まぁ、監査事務所ではコンサル部門と監査部門でクライアントに対する利害関係が生ずることが多いから、どこでも問題にはなっているんだろう。でもそれを持ってモラル崩壊、ひいては事務所消滅まで結びつけるのは行き過ぎかと思う。元いた会社を弁護したい、というのはもっともだから、それを差し引いた上で読むのが丁度良いだろうね。