Amazon.co.jp:マツダはなぜ、よみがえったのか?: 本
これはふれあい祭仲間の後藤からもらった本。最初はマツダのここ10年くらいの歴史を洗う本かと思っていましたが、意外や意外、ブランディングを中心とした企業戦略論が書かれていました。
マツダの弱みは、『ものつくり(=技術力)』はあったのに『ものがたり(=ブランディングを含めた販売戦略』が弱かったこと。良いモノを作れば自然と売れるんだ、という驕りがあったのかもしれません。実はこういう企業が多いと僕は思っています。モノはいいんだけどなー、売り方下手だよなー、という会社。
そこにフォードが入ってきて、米国流の経営戦略が必要とされ、フォードグループの中でのポジショニングを明確にさせる必要が出てきます。この過程でようやくマツダは自分たちの強みと弱みを明確に理解できたようです。
マツダと言えばRX-7/8に代表されるロータリーエンジンにロードスターといった、「スポーティな走り」に昔から定評がありました。つまり、マツダの強みとは高い技術力に裏打ちされた「スポーティさ」な訳です。これを前面に押し出して、出てきた新車群がアテンザやアクセラ。いづれもスポーティなイメージの車に仕上がっています。
その代わり既存の、「スポーティさ」から外れた車種は全て廃止。このドラステックな方策はさすが米国流だと思います。
生え抜きの日本人社長にほぼ10年ぶりに大政奉還されましたが、これはマツダが復活出来ることを象徴しているかと思います。もちろん、まだ完全復活には時間がかかるでしょうが、軌道に乗っていることは確か。著者もそう感じているように見受けられました。