前作では岬美由紀がとらわれの身になったところで終わり。早く続編を!と思っていたのですが、ようやく出てきました。
今回は中国を舞台に岬美由紀が逃避行を続ける内容です。状況が状況だけに大暴れ、というわけではないのですが、非常にリアリティがあって読み応え満点。
日中開戦というのがメインテーマな為、読んでいてクラスメートの事を思い起こし、ちょっと暗い気持ちになりました。もちろん物語は最終的には平和になるのですが。
クラスメートの大半は70年代後半から80年代生まれで、『愛国主義的教育』を受けている世代。普段は政治的な話、過去の戦争の話など一切しませんが、日本に対して複雑な感情を持っていてもおかしくありません。実際酔った勢いでそういう話をするクラスメートも稀にいます。個人的におまえのことは好きだけど、と言ってくれますが。
僕自身、過去の日中間の歴史について聞かれたらどのように答えるべきか、判断が付かないため、彼らの心の奥にあるであろう感情に触れないようにしていて、それが中国出身のクラスメートとの壁になっている気もします。
千里眼運命の暗示 完全版 (角川文庫 ま 26-63 クラシックシリーズ 3)
posted with amazlet on 08.02.07
松岡 圭祐
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