面接で得たもの

今日は某日系企業の面接でした。面接ではありましたが、面接の話だけではなくインタビューをして下さった方の中国での駐在経験などざっくばらんにお話しして下さって、1時間半ほどもお時間を頂いてしまいました。ありがたいことです。

これまでblogにも書いているのと重複しますが、そのお話の中で非常に共感した部分を書き出しておきます。

・インフラが未整備
北京や上海などの大都市は別にして、電気・水道・インターネットや道路がまだまだ未整備のところが多いです。そのためコスト競争力があるから、といって安易に進出しても、その後の運営が大変です。

インドに行った時も首都デリーで頻繁に停電が起こってびっくりしたものですが、中国でも中規模都市レベルでもまだ似たような状況のようです。

・もはやコスト競争力だけでは勝ち抜けない
コスト面では人件費の高騰、各種労働関連法の整備、環境対策への費用等で、中国の優位性は薄れています。

だからといってベトナムなどへ、という安易な考え方も失敗の元。というのはベトナムなどは中国以上にインフラ面でまだまだのところが多いのです。

・日本製品の存在感の無さ
ハイエンドは欧米企業、ローエンドは中国国内企業と韓国、台湾の企業で押さえられています。日本製品の特徴はハイエンド並の品質、機能で値段はほどほど、というところですが、そういう製品を買う客層がものすごく小さいか、存在しないのです。

マッキンゼーのレポートなどによると所得においてミドルクラスが増えている、ということです。確かに所得を元に人口の分布を考えると下層の人々が真ん中の層へ移りつつある感じがしますが、中国のミドルクラスは開発発展国における低所得者層レベルだと思います。なのでまだまだ「低所得者層」が圧倒的なボリュームを持っていて、残りはごく一部の金持ち、という構造です。

・現場を見ないでレポートだけ見ていると失敗の元
「13億人もいるんだから1%でも取れれば1300万人、十分儲かるだろう」くらいに考えて中国でのビジネスをスタートする経営陣が意外に多いようです。実際には上記の通り顧客の特徴をしっかり捉えないと人口の1%を掴むことすら難しいです。

インフラにしても大都市部のインフラ普及率が中国全土で通用すると思ったら大間違いなわけで。日本でも田舎に行くと確かにインフラ普及率は落ちますが、それでも都市部と比べて激しい差はありません。そういう感覚で中国を見ると大失敗です。大都市部とそれ以外では全く違います。これは現地に足を運ばないとどうしても理解しにくいでしょう。