北海道新聞から人民網へ交換プログラムで1年間派遣された佐藤さんの手記。
中国中央共産党直轄のメディアである人民網の内側にいた方の話で、非常に多くの示唆に富んでいます。中共によるメディアコントロール、言論統制や、中国の格差社会についてよく書かれていて、これから中国に来る人はかならず読むべき本だと思いました。
前から気になっていたことも一点この本を読んで納得。それは、中国のインターネットメディアでは、他社の記事の転載が非常に多いこと。著作権という概念の無い国だからなぁ、と思っていたのですが、実はそれが理由ではなく。多くのメディアサイトは実はお互いに協定を結んでいて、一定数の記事を転載許可しているそう。
多くのメディアサイトでは記者が圧倒的に不足しているので、自前で書ける記事が少ない。だからお互いに融通し合いましょう、ということらしいです。そして転載数が多い記事というのはそれだけ読む価値があって転載、ということで人気がある記事である証拠にもなるとのこと。なるほどー。
インターネットと中国共産党 「人民網」体験記 (講談社文庫)
posted with amazlet at 11.05.21
佐藤 千歳
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