現代思想家である、東浩紀が中心になって発行している雑誌です。vol.1を読んだわけでは無いのですが、今号が震災特集だったため、手に取ってみました。
東浩紀が序章で書いているのですが、「震災で日本人の心が一つになったのではなく、実はばらばらになったのではないか」という提起に、非常に納得感がありました。
確かに2011年3月11日から4月、5月くらいまでは、未曾有の国難に対して日本人が一致団結して立ち向かう、というような雰囲気が、国外から見てもあったと思います。
それが数ヶ月経つと、今回の震災が政治家の政局のタネに使われたり、また東電の変わらぬ隠蔽体質や、思った以上に福島原発の状況が悪かったり、そういうものが実は国民をばらばらにしてる感じがしていたのです。それをまさに文字にしているのがこの本の序章でした。
人それぞれ立場が違うので、一つになりきれないのは仕方が無い。しかし震災以後の世界で生きていくために、人はどういう未来を描けば良いのか。そのために「思想」は必要なのかどうなのか、必要だとしたらどうあるべきなのか、ということを下敷きに、多数の著者の意見を載せています。
読むのに時間はかかりますが、今読むべき価値はあると思います。立ち止まってじっくりこういう事を考える、そういう時間をもつことは決して遠回りではないはず。
思想地図β vol.2 震災以後
posted with amazlet at 12.02.18
東浩紀 津田大介 和合亮一 藤村龍至 佐々木俊尚 竹熊健太郎 八代嘉美 猪瀬直樹 村上隆 鈴木謙介 福嶋亮大 浅子佳英 石垣のりこ 瀬名秀明 中川恵一 新津保建秀
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