23回目の六四

タイトル見ても何の日のことか分からない人、意外に多いのかもしれません。僕が香港に住んでいて、中国でビジネスを行っているから、普遍的な知識のように勘違いしているのかもしれないです。

今日は第二次天安門事件から23年。毎年香港ではこの日の出来事を歴史の一ページに風化させないよう、維多利亞公園(ビクトリアパーク)に人々が集まって集会が行われます。今年は主催者発表で18万人参加とか。

このような活動が許される事自体、自由で民主的な地域の証拠。香港は中国に返還されたとはいえ、まだまだ「違う制度」下にあることを、世の中の人にもっときちんと認識して貰いたいです。

ちなみに中国では未だ天安門事件はタブーであり、中国国内の検索エンジンでは検索してもその手の情報は出てこないし、微博(ウェイボー、中国版Twitter)でもその手の言葉は自動的に検閲・削除されます。

しかしながら、中国共産党の事を学べば学ほど、実は次の天安門事件を恐れているのは共産党政府であるように思えてきました。なぜなら、今度そのような民主化運動が激化したら、共産党主導の現在の中国は崩壊しかねないから。

それで中国が民主化されるならいいじゃないか、というのは短絡的。今現在も中国は各省の力が強く、また省1つが中規模国家並の人口、経済規模を持っているので、国がバラバラになる上に、これを機に押さえつけられてきた少数民族達が自立運動を始め、さらにその回りにいる周辺国家(パキスタン、インド、ロシア等)が国境を書き換えようと動き始めるはず。

ということで、影響が大きすぎるので僕は早急な民主化を中国に求めるのは危険だと思っています。そういう意味で、現在の共産党のトップ、政治局常務委員達の、微妙な政治の舵取りは本当にお見事だと思います。それについてはまた別の機会に。

ともあれ、この日を風化させないよう、香港人達がこうして集まるのは非常に有意義なことだと思います。