『蟻族―高学歴ワーキングプアたちの群れ』読了

2009年頃から中国で超ホットトピックとなった高学歴ワーキングプア集団、『蟻族』。この言葉を作ったのが、本作の元本であり、大学院生達の研究結果でした。

2010年にはテレビに取り上げられたりドラマになったりと、その存在が広く知られるようになりました。

経済不況のため大学出ても仕事がない、というのは日本でもアメリカでもある話ではあります。中国の場合はもっと根深く、そこには都市戸籍・農村戸籍の問題、大学の本科(日本で言うところの四大)・専科(日本で言うところの短大的存在)による格差、一人っ子政策による親・親族の過度の期待等、様々な社会問題が絡み合って『蟻族』が生まれています。

途中データを纏めた箇所が読んでいて眠くなりますが、その他の、実際に蟻族と呼ばれる80年後の若者達へのインタビューを元にした記事は、彼等の非常に厳しい状況と現実を如実に描いており、貴重な資料です。

蟻族―高学歴ワーキングプアたちの群れ
廉思
勉誠出版
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