『原発ホワイトアウト』読了

現役官僚が匿名で書いた本書。小説という体を取っていますが、実際には限りなく実話に近い告発本でしょう。

原子力ムラが、どのように権力側に取り入り、自分たちの短期的な視野での利益を最大化させようとしていか、丁寧に描かれています。

原子力行政の元凶が原子力ムラであることは数十年前から反原発陣営では主張されていましたが、その手法等が見えなかったので、広く国民に信じられるような説得力が無かったのが正直なところ。それを福島原発の事故及び本書において非常に説得力のある形で描かれているので、そろそろ国民も目を覚ます頃...なのかなと思いますが、どうなるでしょう?

昨年末発売のこの本、既に10万部突破とか。はてさて、どのような影響が出るか...著者には中央官庁内でばれないよう働き続けながら、内部からのさらなる情報発信を望みます。

原発ホワイトアウト
原発ホワイトアウト
posted with amazlet at 14.01.06
若杉 冽
講談社
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