実にタイムリーな出版。シャープが崩壊した理由を、経営層の権力争いにあるとし、歴代社長及び経営層の意思決定プロセスを描き出しています。
とはいえ、液晶への過剰投資も、当時は選択と集中という大義の下、各新聞もこぞって絶賛していたはず。結果的には過剰だったとはいえ、その判断を今の結果を基に批判しても公平ではないなとは思いました。
個人的には僕が初めてまともにパソコンに触ったのは友人宅にあったMZ-80Bという名機だし、手に取らなかったもののザウルスとかリブレットとか画期的な商品を多数生んでいるシャープには、そのユニークな商品開発力を維持して欲しいとは思います。
2016年の鴻海との交渉もぎりぎりまで書かれています。資本の論理から言えば鴻海案の勝ちではありますが、買収されたらシャープらしさは一切なくなるでしょうね。それが企業買収というもの。