民意とは

第45代アメリカ合衆国大統領にドナルド・トランプが選ばれました。

SNS上では「BREXITの再来」とか「クリントン勝利に間違いないと思っていたのに」という意見が多数。僕は先月のトランプ失言問題でクリントン優位かなと思ったのですが、今回の結果に驚きはありません。

まさにBREXITと同じ構図で、大多数の一般人達は頭の良いエリート達の意見にたてついたのだと思います。既存メディアの中の人や、SNSを積極的に活用している人々の多くはそれなりの学歴と収入を持っている、エリートもしくは準エリート。割合でいえば人口の数パーセント程度でしょう。

彼等の意見に任せた方が政治経済の舵取りは無難なはずなのですが、民主主義における選挙では「票の平等性」と「多数決」が大原則。「難しい事は分からないけどうちらの気持ちを代弁してくれてる」トランプおじさんに票が集まったのも当然なのです。

僕/私の回りはみなクリントン支持なのに!という方。このblogを読んでいる人もエリート・準エリート層に入る人々だと思うし、友達全体の平均値は自分そっくり、という話もある通り、エリート・準エリート層のお友達も皆エリート・準エリート層。だから多数の「民意」が目に入らなかったのです。

トランプが大統領になったからといって大きな変化はないでしょう。大きな権限を持つ米国大統領とはいえ、独裁が許されているわけではないのが1つの理由。もう1つ、彼は当選するために色々言ってましたが、本心でそれらの約束を果たそうとは思っていないはず。4度の倒産から立ち直った実業家はそこまで夢想家ではないだろうと思っています。

そうはいってもこのタイミングを逃さず自己の利益最大化に繋げようとするアジアの大国の活躍で、アジアの安全保障面ではなにがしかの変化が出てくると思います。そこは要注意。

あとトランプ勝利のニュースで各国の友人がSNS上で「民主主義は終わった」とか結構書いているんですが、彼等は民主主義を理解していないです。民主主義だから、トランプが選ばれたんです。科挙制度やエリート独裁だったら選ばれませんでした。そして民主主義は万能でないことも理解していないです。元英国首相のウィンストン・チャーチルの有名な言葉「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」は、政治学を先行した学生以外は知られていないんですかね...。