『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』読了

ライフネット創業者でHBS卒の岩瀬さんの同級生の本。後書きの辺りまで読み進めて初めて『ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場』の著者だと気がつきました。道理で日本の営業の例として生命保険のキャリアウーマンが出てきたはずです。

伝説のセールスと呼ばれるような、様々な業種業態の営業のプロをインタビューし、良い営業とはなにか、どうしたら良い営業を育てられるのか、というところを浮き彫りにしようと試みています。が、なかなか難しい。生まれ持った才能に寄るところも少なくない、というのが、様々なインタビューの中で出てきています。

敢えて言えば、何度も失敗するのを覚悟の上で、やりきる意志の強さとポジティブさを持っているかどうかが、営業として成功する必要条件。それらを含めて体系的に教育の場で教える手法が未成熟なのが、HBSですら営業の授業がない事の裏付けなのかもしれません。もちろん母校HKUSTのMBAでも営業に関する授業はありません。それどころか、MBAホルダーは誰も彼も営業を忌み嫌っていて、戦略やマーケなど、うわべが綺麗な職種に就きたがるのが現実。

MBA卒でありながら営業をしている自分としても、屈折した気持ちがゼロではないものの、きれい事言っていても人生かかってるからしょうが無いよなぁ、と思うところもあり。

大著ではありますが、本邦題にたいする明確な答えが書かれているわけではないので、それを求めて読む人には無駄かもしれません。今営業職をしている人には、気付きがあると思います。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
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