政治学者の三浦瑠璃氏によるトランプ大統領誕生の分析本。現地を訪れてのインタビュー等含め、選挙戦が終わるまでの日米のマスコミの論調とは一線を画した分析をしています。
トランプ陣営の選挙戦略はとにかく米国市民の目線に合わせ、多少言葉が乱暴でも上手く微調整を行いながら、勝つためのメッセージを送り続けた事が勝因であるようです。
そしてトランプ大統領が目指す世界として、狭義のモンロー主義ではなく、等身大の米国として出来る範囲で影響を世界に与えていく、という事のようです。つまり身の丈知らずに世界の警察を続けるのではなく、あくまで米国市民に取ってメリットのあることを優先度高として、堂々と世界中の紛争地域から撤退していく事をイメージしています。
今なお米国は世界最大の国力を有するとはいえ、世界中で支援をし続けることは難しいわけで、その判断は過去のしがらみから離れられない既存の政治家には中々難しいでしょう。ビジネスの世界にいたからこそ、より純粋に損得で判断出来るのは、トランプ大統領の良い面かもしれません。結果が出ないとまだ分かりませんが。
