『会社は毎日つぶれている』読了

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日商岩井の最後の社長、かつ双日の最初のCEOであった著者による、会社社長の心構えを纏めた本です。本書を読めば、社長が副社長含めたその他役職員とは全く異なる、非常に重い責務を背負い、日々潰れていく会社、事業を救い出していく必要があることが分かります。

僕が新卒で入った会社が実は日商岩井が100%保有するIT子会社で、そのIT子会社自身が上場したり、その間に日商岩井がニチメンと合併して双日になったりして、日商岩井の終焉が非常に身近でした。僕自身はIT子会社の中でも3割の売上を担う外販部門にいたので直接は関わりなかったですが、多くの同期達は残り7割の日商岩井グループ関連事業で働いており、彼等の話を聞いていて日商岩井は無駄なIT投資をしているなぁと感じたものでした。子会社社員から見ても無駄だと思えるくらい、悪い意思決定がなされていたのが当時の状況だったようです。

その会社を、莫大な不良資産を半年ほどで一気に売却(帳簿上の操作ではなく本当に切り売りした)して膿を出し、双日と合併させて甦らせた著者の放つ言葉の重みはスゴイです。残念ながら2013年に鬼籍に入られていますが、本書は会社経営の基礎の基礎として、非常に有益だと思います。

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)
西村 英俊
日本経済新聞出版社
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