一国二制度の危機

訂正-カナダ首相、香港情勢を「懸念」 英加豪が共同声明で中国けん制:ロイター

昨晩から急にきな臭いニュースが香港中に駆け巡りました。今日から開幕する、中国の全国人民代表大会(全人代)の議題の1つが、香港に国家安全法なる治安維持法案であることが判明。

香港基本法(香港における憲法)では行政長官が提示し、香港の立法會で審議の上、全人代に上申、承認を得る、という形で香港基本法の修正が行われるよう定義されています。にもかかわらず、そのプロセスすっとばして中国政府側から香港基本法に直接新しい法律を作れるのは聞いたことがありません!僕自身2014年にHKU SPACEにて法律の勉強しましたが、その際も上記プロセスの最後、全人代が承認する部分において徐々に「高度な自治」が脅かされつつある、という事は授業で受けましたが、抜け穴があったとは!

その抜け穴とは第18条に、中国本土法律を付録3に収録し香港で発効させるという手法だそう。これだと香港立法會も行政長官も、誰も異議申し立てが出来ないまま成立してしまいます。また全人代で議題にあがるということは基本的にお膳立ては全て終わっていて、承認を形式的にするだけ、なので、本法案が成立するのはほぼ間違いなし。

これは間違いなく香港の核心的価値である「一国二制度」を実質終了にしてしまう程の大インパクト。この街が今後どうなっていくのか...。