『PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』読了

ピクサーやそのオーナーであったスティーブ・ジョブズについて書かれた本は多数ありますが、企業経営、財務の観点からピクサーの成長劇を描いたのは本作が初めてのハズ。

著者はスティーブから直接声をかけられてトイ・ストーリー制作中の潰れかけの会社に入った財務責任者。スティーブとの電話から始まり、彼が亡くなって3年半経って本書を出したという終わりの下りまで、一気に読んでしまいました。

ミッション・インポッシブルを見事に成し遂げた著者とスティーブは、ピクサー経営においては非常に良いコンビだったようで、スティーブの巷で言われているような厳しい面は直接接する事は無かったと言います。そして勝手口から自室まで入ってきて良いと言われた数少ない友人であったとのこと。

ピクサーの成功にはもちろん創業当時からいるコアとなる人々は欠かせない人財であったのは間違いないですが、彼等だけでもうまく行かず、スティーブがオーナーとして財政的に支えているだけでもだめで、著者が獅子奮闘したからこそ、だと思えました。