生まれて初めての訴訟その3

法廷を出て下に降りて、今後の事を思い悩んでいたら、警備員から「お昼は食べたのかい、地階に食堂あるよ」と広東語で声かけてもらいました。そういえばもう午後1時半。ということで地階におりて小さな食堂に入りました。ここで大排檔のようなランチを頂き、ホッと一息。しかしこのランチは裁判官は食べないだろうな...と思ったり。

被告のかたくなな態度を考慮すると、最後まで折れることなく、また完全勝訴しない限り上訴しそうな勢い。そうすると係争中の金額以上に費用がかかりそうなのと、上訴されるとさらに半年以上この件に関わることになり...そこまでの金額では無いなと思い、今回は提訴取り下げすることにしました。悔しいですが、被告の戦略勝ちです。

取り下げは、専門の用紙に必要事項を記載して裁判所に提出し、判を押してもらった用紙を被告に郵送しておしまい。7月から始めた裁判はこれで終了です。精神的には、負けた悔しさもあるものの、これで本件から解放されてその分前向きに他の事に取り組めるなと思うことにします。

ところで裁判所では事前に言えば日本語→広東語通訳もいらっしゃるとのこと。今度ここに来るときは通訳頼もうと思います(もちろん無料)。

ちなみに今回提訴取り下げまで、日本語での情報は一切探しませんでした。訴訟を起こすにあたり見るべきは裁判所や香港政府のサイトにある一次ソースであるべき。ですので訴訟を起こすのにこのblogにたどり着いた方にも、一次ソースをしっかり確認して準備をされることをお薦めします。

小額錢債審裁處は$75,000を超えない金額に関する訴訟を扱う法廷なので、香港ではわりとよく使われる法廷だと思いますが、提訴を取り下げて日本語で調べてみたものの、個人の方が書いた体験記などは見当たらず。表に出さないのか、日本人で提訴行う人が少ないのか...。

まぁあまりお世話にはなりたくはないものの、一度経験しておくと今度何かあったらスムーズに進むだろうな、という目論見もあり提訴してみた次第。とはいえ、提訴した後被告側の動きは格段に速くなったので、提訴した意味は十分にあったと思っています。

また代理人経由で出てきた被告側のStatement、4つのポイントに纏めてましたが、嘘ではないけど真実でないことを織り交ぜて書いていたので、勝つためには手段を選ばずという態度が法廷では必要なんだなと学びました。ちなみに被告とのやりとりで、わりと早い段階からこちらに断り無く顧問弁護団をメールのCcに入れてきて、非常に感じが悪かったのも書いておきます。