『功夫灌籃』を観た後の帰り道すがら…

今日の午後はCUHKとサッカー大会があったのですが、今週遊びほうけ過ぎたので書類作業を色々していたらあっという間に夜に…。せっかくkanakoさんも来ていたというのに、顔も出さずにごめんなさい。

朝のうちにapmの映画館で20時40分からの『功夫灌籃』を予約していたので、それまでに終わらせたいことが山積みだったのです。『香港電影迷宮+blog』さんに映画情報が載っているのを観て、そういえば公開しているな、と思い出したので。

夜になって1人で観に行ってきました。まぁ息抜きには良いかな、でも人にはお勧めしないぞ、という感じの映画です。

主演は周杰倫(ジェイ・チョウ)。脇役として蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)、陳柏霖(チェン・ポーリン)、曾志偉(エリック・ツァン)。阿saはホント脇役で、陳柏霖の方が存在感有り。また周杰倫より5歳は若いと思われる陳柏霖が先輩役になるんだけど、本当にそれらしく見えました。まだまだ陳柏霖の方が演技力が上だということでしょう。周杰倫も『頭文字D』と較べたらかなり良くなってきたと思うけど。

英皇電影が製作に関わっているし広東語版で観たしで(普通話版も同時上映してます)香港映画だと思っていましたが、中国映画と思った方が良いのかも。主要人物である周杰倫と陳柏霖は広東語に吹き替えられてますが、それ以外の役に関しては普通話を話す役者と広東語を話す役者が入り交じっていました。本来なら話が通じていないはずなんですが(笑)

映画館の帰り道、つい先日そごう上の旭屋書店で見つけて買ってしまった『転がる香港に苔は生えない』を読みながらMTRに乗りました。

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)
星野 博美
文藝春秋 (2006/10)
売り上げランキング: 52247
おすすめ度の平均: 5.0
5 いざ、香港へ
5 怒濤の香港ピープル
5 買いです。

香港好きな人にとってはバイブル的なこの本。僕は単行本を持っていて何度かblogでも紹介していますが、これで読み返すのは5回目!5回も同じ本を読んだことは今までありませんでしたが、この本だけは特別。これから何度でも読み返すでしょう。600ページ以上ある長編で、文庫本なのに1,000円近くします。ちなみに直近で読んだのは香港に来る直前の昨年の8月でした。

丁度読んでいた箇所が調景嶺について触れていました。調景嶺は大学の最寄り駅である坑口からMTRで2つ先で、MTRに乗って出かけるときには必ず通る駅。逆に言えば今までは単なる通過駅でした。

本に書かれているのを読んで思い出しましたが、調景嶺はかつて国民党の落人達が山を切り開いて作った村で、日本では『リトル台湾』と呼ばれたりしていたようです。返還を控えた1990年初頭に九龍城砦同様、住民は強制退去させられ、坑口駅近くにある厚徳邨に移住させられています。厚徳邨は確かに標識でその名前を見たことがありました。

また退去後は山を切り崩して埋め立て地を作り、そこに新たな高層住宅群やMTRの駅を作りました。その駅が『調景嶺』。

調景嶺について以下のサイトに詳しく載っていました。

首吊り嶺に送られた国民党の落人たち 香港・調景嶺

今までただの通過駅でしかなかった調景嶺。今日も読みながら電車を乗り換えるためにプラットフォームには降りましたが、星野さんの『転がる香港に苔は生えない』で改めて、かつて様々な経緯で中国から逃れてきた右派の人たちが生活していて、そして強制退去させられたという歴史的な地域であることを思い起こしました。今度は駅を出て、現在の姿を見てみたいと思います。