『ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才』読了

スティーブ・ジョブズ直々にCEO指名を受け、今年で丸10年。本書が発刊されたのは2019年ですが、長きにわたり、世界中の誰もが疑った、カリスマ創業者亡き後のアップルの成功を、適切に導いてきた、謎に満ちたこのCEOについての本。

社外の人間にとっては、サプライチェーンの専門家、といった程度の人物像でしかなかったティム・クックが、良い意味で世界中の人々を裏切り、単に核心的な製品を出すだけではなく、ジョブスなら取り合わなかったであろう、様々な課題、多様性/インクルーシブ、環境問題、サプライヤーの労働問題等をも、ジョブス時代とは異なる方法で変えてきた事は、ジョブスとは異なる異才の主であり、またジョブスが死の間際まで良い判断をした証左でもあります。

アップル信者のみならず、イノベーティブな企業の直面した課題をどう解決してきたのか学ぶのに良いテキストブックです。