『ミカドの肖像』読了

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かなりの大作で、読むのに時間がかかりました。元は20年以上前に出版されていたのですが、西武事件で注目を浴び、小学館文庫で復刊した本です。

この本の前半では西武がどのようにして巨大な帝国を築き上げたか、そして西武と後続との関わりについてまとめてあります。後半は「ミカド」と「帝」について、単なる精神論ではなく、物証を元にその存在について切り込んでいきます。

後半は知らなかった事実(「ご真影」がイタリア人によって書かれていた肖像画であったこと、等)が出てきてまぁ面白いのですが、なんといっても前半の西武と皇室の関わりについて、そして西武の成長の源について、既に20年以上前にきっちり描かれていたことがスゴイ。

なぜ西武のホテルが「プリンス」というブランドを用いているか。そして同じ「プリンス」でもホテル毎の質の落差が激しいのはなぜか、そういった疑問に見事に答えています。非常に貴重な文献。おすすめです。