石巻ボランティアトリップ3日目

ぱっと眼が覚めたらまだ6時半。でもリーダー格の在港日本人の方が「ご飯買いに行こう」というので、一緒に泊まった香港人男性2名と、計4名で近くのファミマへ。といっても片道徒歩10分程度かかりますが。

折角なので綺麗なトイレで用も足し(笑)、宿泊場へ戻り朝食。色々準備等しているうちに8時過ぎ。女性陣も集まったので、今日の作業の簡単な説明の後、早速作業に入ります。

今日はまず男性陣が寝泊まりしているお宅の1階部分の床と壁を全部取っ払うこと。機材とてこの原理を上手くつかってばりばり剝がしていきます。怪我をしないよう長袖のTシャツを着ていたのは僕だけ。超汗だくになりながらの作業です。

また大量の粉塵も出るのでマスクも欠かせません。ゴーグルも持ってきたのだけど、眼鏡がどうしても曇ってしまうので、利用はあきらめました。

今回修復対象のお宅は基本的に家の構造自体は問題がないものばかり。しかし浸水してしまった1階部分の壁、床全て剝がさないと、後で異臭や腐る原因になってしまうそうです。そこで僕らボランティアの出番なわけ。この作業が済んだお宅から、大工さんが入って床や壁を張り直していくそうです。

また修復するお宅の持ち主とは当然事前に協議済み。ヘルプ東北が2年間無償で借りることを条件として、無償で修復作業を行っているとのこと。なるほど、と勉強になります。

一時間毎位に適度に休みを取りながら、作業を進めていきます。12時にはしっかりお昼。テントの中でお弁当を食べながら、石巻の様子などを、先にこの地に入っていた方々から聞いたりしながらのランチタイムでした。

朝一番で簡単な説明があったモノの、その後は細かい説明等はありません。各自が自立能動的に仕事を進めていきます。待ちの姿勢にならず、とにかく仕事を見つけて進めていく香港メンバーの皆さんに正直感動しました。そのためか、ヘルプ東北の人達の想定を上回る速度でこのお宅の修復作業が進んだそうです。

16時頃には本日の作業終了。一旦温泉に行って身を清めて、夕飯に行くことになりました。昨日と同じ温泉ですが、今回は9人乗りの大型タクシーを交渉の末格安で借り切ることが出来た模様。

足湯には残念ながら入る時間はありませんでしたが。

今宵の夕飯は、被災者のお宅にお邪魔しての夕飯。初日に一緒に先導してくれた方の旧友が石巻市出身で、その方も我々の予定に合わせて東京から石巻へ帰省し、一緒になって修復作業を手伝ってくれていたのです。その方のご家族からの夕飯のお招きでした。

12名で押しかけて大丈夫かな、と思ったのですが、香港からわざわざボランティアに来てくれたのだから、と熱烈歓迎して下さいました。その方のお宅も1階部分は浸水、床だけは張り替えたようですが、大工さんが足りないとのことで壁はまだお預け。10月以降で修復されるそうです。

その、まだ仮に張り替えた床をみた我々、今朝から剝がす作業ばかりしていたのでむずむずと剝がしたくなってしまいました(笑)もちろんそんなことはしませんが。仮床の上にビニールシートをひき、その上で夕飯。大量の手作りおでんやお寿司やサラダなど、たくさんのお料理を12名分もご用意頂いて、本当に感謝感激です。

夕飯を食べながら、お招き頂いた方のお父様から震災時の様子やその後今日までの話を聞かせて頂きました。そのお話の中でも、この言葉を聞けただけでも今回石巻に来た甲斐があった、と思ったのは、「復興について、震災以前(の水準)に戻すのではなく、どうせだったら震災以前よりももっと良い街作りにしたい」と力強くおっしゃられたこと。

まだまだ全ての被災者の方々がこのような思いではなく、ツライ気持ちを抱えたままの人も少なくないでしょうが、このお父様のような力強く、さらなる発展を考えた復興を望んでいる方がいらっしゃることに、僕らが勇気づけられました。

夕飯をたくさんごちそうになり、みんなで集合写真を撮って、辞去しました。そして宿舎に戻って早めの就寝。