『香港・濁水渓』読了

2つの作品が一冊になっていて、『濁水渓』は『香港』の前段的なもので、戦前の日本から戦後すぐの台湾を生き抜いた台湾人の若者の物語。

『香港』は1955年に直木賞を取った作品。戦後の香港に台湾から流れてきた政治難民を主人公として書かれた私小説でした。当時の香港の様子が描かれていて、興味深かったです。鑽石山(ダイアモンド・ヒル)の辺りは当時まだ貧民窟のようだったとか、今では想像することも難しい、香港に流れ着いた移民達の生活が垣間見えます。

香港・濁水渓 (中公文庫 A 135)
邱 永漢
中央公論新社
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