『蔡英文自伝:台湾初の女性総統が歩んだ道』読了

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日本語版として最初に発刊された『蔡英文 新時代の台湾へ』に続く2冊目、ですが、台湾では出版が逆で、本書の原書『洋蔥炒蛋到小英便當:蔡英文的人生滋味』が2012年の台湾総統選挙前に出版されています。

『蔡英文 新時代の台湾へ』ではその2012年の総統選で敗れてから2015年に再度民進党党首として総統選に挑むまでの、政治家としての蔡英文を描いています。それに対して本書は蔡英文が生まれてから2012年に総統選に挑む所までの、政治家になる元学者の蔡英文の軌跡が描かれています。

2冊読んで思ったのは、蔡英文を持つ台湾の幸運、そして蔡英文を支える台湾人達の政治的関心の高さは素晴らしいなということ。訳者もあとがきで書いていますが、日本は台湾から政治や民主主義について学ぶところが多いと思います。

今月は日本でも衆議院選挙がありますが、党首討論などを見ていると自民党以外は「反自民」だとか実現可能かの妥当性の裏付けのない公約ばかり掲げていて、ポピュリズムここに極まり、という印象です。批判はあれども、安倍自民党の長期政権による安定的かつ中長期的な施策の方が現実的であり、選挙活動にしても冷静に対応しているように見えます。

蔡英文政権は1年を過ぎたところでまだまだ台湾にも課題はありますが、今後の舵取りにより一層注目していきたいと思います。

蔡英文自伝:台湾初の女性総統が歩んだ道
蔡英文
白水社
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