エズラ・F. ヴォーゲル教授による、台湾・韓国・香港・シンガポールの驚異的な経済成長に関する深い洞察を纏めた本です。
いずれも日本が第二次大戦後の復興を遂げた後、後追いで出てきた国々で、1990年代にはその急速な経済成長には色々な説がありました。それまではキリスト教系列の宗教観を持つ欧米でしか産業革命や高度な経済成長等は成功しない、とまで言われていたそうで...時代の違いに読みながらクラクラしてしまいました。
ここで述べられている各国の経済成長の源泉、理由についてはきわめて妥当でしたが、敢えて言えば儒教が与えた影響というのは教授が考えるほど大きくなかったのでは?と思いました。本書が発刊された時点で儒教の生まれた国中国はまだまだ経済成長していませんでしたし、日本やシンガポールは儒教的考え方はそれほど強くないと思います。
1990年代のアジアの急成長ぶりを認識するには良い本です。
アジア四小龍―いかにして今日を築いたか (中公新書)
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エズラ・F. ヴォーゲル
中央公論社
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