元アップルの社員による本著。多国籍企業による市場の独占という側面だけではなく、彼等が我々一般消費者の生活も規定し、囲い込んでいる、というお話。
例えば、アメリカの大手石油会社がよってたかって鉄道を潰し、車中心社会にして、ガソリン消費量を増やしたとか。穀物メジャーが穀物を売り込むために様々な方策で外食産業を育て上げたとか、そういう話が書いてあります。
「帝国化」したとされる企業群が、元々そのような意図を持っていたのかは正直不明ですが、結果として彼等を利する生活を、一般消費者が送っているのは確かにその通りで、非常に考えさせられます。
香港では1日に消費するお金の1/4は李嘉誠の元に入る、なんて言われますが(李嘉誠率いる企業群が香港の産業の多くをカバーしているため)、それに似た話だなぁと思いました。
企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)
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松井博
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