MBA後の就職事情

たまにはMBAに絡むお話書かないと、読み手が減ってしまうので(笑)、卒業後の話を書いてみます。

こないだ香港のMBAへ同時期に留学していた日本人の友達からメッセが。「MBA現役生と飲んだけど、その時『卒業後は小売業のマネージャポジションでHK$40k/月くらいは欲しい』と言っていて、香港の就職事情を舐めてる」と。

MBA前に同じ業界での経験が無ければいきなりマネージャ職はないという点、そして小売業でHK$40k/月というのは高望みしすぎという点の2点で、舐めてる説に大賛成でした。

金融・コンサル系ならアソシエイトでもHK$40kは十分にあるでしょう。またMBA卒業後にそのくらい貰わないと投資対効果が低すぎる、という考えもわかります。

でも現実はそこまで甘くないのです。その辺りは僕の過去のblogに書いています。

就活総括

香港で非金融・コンサルであれば、ほとんどMBAを必要としない求人情報となり、給与もHK$20-30k/月位のレンジ。それでも広東語もしくは普通話が出来なければその職を得ることもかなり難しいです(英語は問題無いというのは言うまでも無く)。

僕はその辺り、かなり妥協しつつ、将来昇進昇給する可能性が高い会社を卒業後の1社目に選びました。おかげで営業未経験でヒラの営業を始めてから、4年目にはSales Director。5年目には税込み年収で入社初年度比で2倍まで増やすこともできました。

こうした経験を経て、6年で前職を卒業し、Fortune 500に入るグローバル企業に転職しました。ポジション的にはヒラの営業に戻りましたが、カバー範囲が北アジア及び東南アジアと、かなり広範囲を担当することになり、収入もやりがいも前職以上になっています。

まだ日本のお客様も担当しているので、完全に日本経済依存から抜け出ているわけではありませんが、少しずつ自分の目指す方向へ進んでいます。

キャリアパスのお話

実際の所、香港だけ担当していたのでは、良いお給料はもらえません。マーケットが小さすぎるのです。良いお給料を得たければ香港含めたアジア各国を担当する職務で、ある程度の出張は免れないのが、営業でも人事でもマーケティングでも当てはまります。特に営業は飛び回らずを得ないので、新婚には辛い(^^;。

ちなみに過去15年間の香港のMBA日本人卒業生で、香港に残った人達の進路を纏めてみました。

HK MBA r7.jpg

フルタイムの卒業生70名程の中で香港に残ったのが8名。大きく分けると上記4つになるかと思います。

下二つに当てはまる卒業生が多いですが、いずれも日本市場・日本顧客との対応があり、日本人であることをある種強みとして採用されているのでしょう。日本人卒業生が香港で就職するなら、まずはこのあたりが狙い目なのだと思います。日本経済非依存型キャリアを目指す入り口として、間違ってはいないと思います。もちろん直接非依存型のポジション取れればそれがベストでしょうが。

資金と自信があるなら最初からアントレというパターンもあり。香港では日本以上に会社設立は簡単でコストも少なくてすみます。ただこれは日本でも同じですが、社長になるのは誰でも可能です。この辺りはこないだ読み終えた本『女子高生社長、経営を学ぶ』に書かれていましたが、社長と起業家は違うので、アントレといっても単なる社長業ではなく、MBA卒なら起業家になる人が出てきて欲しいなとは思います。まぁそんな事言っていたら益々卒業後香港に残る人がいなくなりそうですが...。