【172】酪農センター見学

| コメント(2)

普段はジャカルタとその近郊で仕事をしていますが、バンドゥンにも何件かお客さんがいまして、月に1回程度は車で3〜4時間かけてバンドゥンまで行ってます。現在ジャカルタとバンドゥンを結ぶ高速道路が建設中で、これが出来れば時間が所要時間が半分程度に短縮できると思う(ジャカルタ〜バンドゥン間の道のりは約150km)のですが、現在はグネグネの山道を使って山越えをしないといけないので、これが結構疲れます。2005年はバンドゥン会議(アジア・アフリカ会議)50周年なので、一説によると来年の春までには完成させろという政府のリミットラインが設定されているらしいのですが・・・、しかしここはインドネシア、その通りに事が運ぶかどうか誰もわかりません(爆)。

そのバンドゥンの市街から北に少し行ったところにレンバンという町があり、そこにチコレー酪農センターという施設があります。この施設は日本からのODAで建設されたもので、現在はJICAのシニアボランティアの方が技術支援ために駐在されています。たまたま三重県人会で知り合ったバンドゥン在住の青年海外協力隊員の方が、こちらに駐在するシニアボランティアの方とお知り合いで、施設を見学させてもらうという話を聞きつけ、筆者もバンドゥンのお客さんの所に行くついでに、ちゃっかり見学させてもらうことにしたわけです。

シニアボランティアの西野さんの案内で施設を回りました。チコレー酪農センターの主目的は乳牛(ホルシュタイン)の交配で、ここで生まれた子牛がインドネシア全土に送られていくとのこと。また子牛が生まれるということは、母牛から牛乳が採れるということなので、それを搾って殺菌消毒(低温殺菌)してチコレーブランドの牛乳を作っています。ジャカルタ市内のスーパーでも売られていて、筆者も何度か買ったことがあります。牛の飼育や、牛乳の殺菌方法など、あらゆる点を西野さんが指導されているのだそうです。

この西野さん、おだやかなおじさんなのですが、話を聞いているとすごい人みたいです(笑)。日本の飲料メーカーに長年勤められ、世界初の長期保存乳の開発に携わったのだとか。よく紙パックに入って売っている、常温保存が可能な牛乳のことです。もしかしてプロジェクトXに出演したりしないかなぁ・・・(^-^;)。

殺菌方法の違い(低温殺菌と高温殺菌)に絡めて、殺菌をしたからといって菌が完全に無くなるわけではないということや、長期保存乳を開発した時の苦労話、開発後に南極観測隊や遠洋漁業の船に牛乳が積めるようになって感謝された話など、牛乳好きの筆者にとっては、とても勉強になりました。まさかインドネシアでこんな話が聞けるとは。とても良い経験になりました。

コメント(2)

どもー。ゆづるんです。
常温保存できる牛乳。。。LL(ロングライフ)牛乳のことかしらー。
ゆづるんが働く会社は、その昔LL牛乳の開発に反対して(たんぱく質が変質しちゃう、善玉菌も殺しちゃうなどが理由)、
低温殺菌&ノンホモジナイズの牛乳を開発した会社です(笑)。
まさに対極?(笑)
*ノンホモジナイズ=攪拌してない、クリームが浮く牛乳のこと

でも、LL牛乳のおかげで、遠洋漁業のおっちゃんとかに役に立ってたんですね。
ゆづるんも勉強になりました。

そうです。ロングライフ牛乳です。西野さんご自身も「風味が変わってしまったり、体に良い菌まで死んでしまうとか、そういう面もあるんだけど・・・」と前置きして、前述のお話をしてくれました。

その彼が今、チコレーで技術指導しているのは、まさに「攪拌していない低温殺菌乳」ですからね。スーパーで買うと、確かにクリームが浮いてるし(^-^;)。彼も牛乳本来の力や美味しさは、誰よりも良く知っているのだと思います。

ちなみにインドネシアで売られている牛乳のほとんどは、海外から輸入した脱脂粉乳とバターを混ぜてで作った牛乳なのです。いわば「濃縮果汁還元」のオレンジジュースみたいなもんですね(苦笑)。こんな劣悪な環境にいる筆者にとっては、ロングライフ牛乳にしろ、チコレーからの低温殺菌牛乳にしろ、非常にありがたい存在です。

コメントする

月別 アーカイブ

OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 7.7.1

この記事について

このページは、もりもりが2004年12月21日 23:35に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「【171】酒は飲んでも飲まれるな」です。

次の記事は「【173】実家からの転送」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。