新聞や雑誌は良く読むのですが、本を買って読むことがあまり無い筆者(自慢できたことではないが・・・)。自宅の本棚がこんなことになってる人もいるというのに、筆者の場合、自分で買うのはたぶん年に数冊か(苦笑)。あとは勝手に日本から送られてくる某警備会社創業者の書籍とか(表紙裏に直筆で謹呈とか書かれて送られてくるから、読まざるを得ない ^-^;)、日本から遊びに来た友人が置いていった本とか、そんなのを読む程度だったりします。まぁインドネシアにいると日本語の本が高いので(イギリスにいたときはもっと高かったが)気軽に買いにくい、ということもありますが。
雑誌や新聞に載っている書評は結構読むんですけどね。それでなるほど、と思ってそこまで、という場合が多い。もうちょっと詳しく知りたいと思うと、ウェブで検索すれば既に読んだ方々がいろんな意見を述べてらっしゃるのでそれを読む(友人のブログに突き当たったりしてビックリすることも ^^;)。だからお客さんと話をしているときに「そういえばこんな本が出てましたね」なんて話題を振ることくらいは出来てしまったりする。それで「お持ちなら貸してくださいよ」と言われて困ったりもするんですが(爆)。
表題の本も実は自分で買った物はないんです。先月末に大前研一さんがジャカルタにおいでになった際に(政府や国営企業の偉い人を集めて講演会をしたとのこと)、幸運にも食事をご一緒する機会があり、その時に頂戴したもの。こちらの某製薬会社の社長さんが大前さんとお知り合いで、その方がジャカルタ滞在中アテンドしたのですが、筆者もその社長さんと懇意にさせてもらっている関係もあって夕食の際に呼んでいただきました。各業界から日本人の駐在員が数人集まって(製薬、自動車、金融、繊維、IT)、ロシアの自動車販売の話、世界の農業の話、そして大前さんの趣味である釣りや自転車の話など、いろんな話が聞けました。まぁとにかく熱い、パワフルな人ですね。翌日もオーストラリアの大学での仕事があるとのことで、ジャカルタからそのままオーストラリアに飛んでいってしまいました。
筆者は百姓の息子なので農業の話に興味深く聞き入りました。「私の実家は伊賀上野で百姓を・・・」という話をしたところ、「いつも飲んでる日本酒は三重の酒だよ」と大前さん。「宮の雪」という四日市の酒なのですが、実は筆者は飲んだことが無かったので先日の一時帰国の際に早速購入してきました(^-^;)。伊賀の米も一部使われているようです。東京に支店もあるみたいで、このあたりのお店で飲めるみたい。メニューを見ると森喜の「るみこの酒」も置いてあるっぽい。一度行ってみたいですね。
あ、肝心の書評を全然書いてない(爆)。そうですね、感想としては「一本筋が通ってる」ということ。大前さんが日本および日本人に対して発しているメッセージを強く感じ取れました。外国で生活すると特に、これまで以上に日本や故郷を意識するようになるものです。そして日本や故郷に対して何が出来るかと考えるようになる。これは(レベルが違いすぎますが)似た立場である筆者もすごく理解できます。ただ逆に言うと、日本国内だけで生活が完結している人がこの本を読んだ時にどう感じるのか、それが少し気がかりではあります。この本に書かれていることは間違いなく事実なのですが、大前さんのメッセージがストレートに心に入っていくかどうか、心に響くのか。
「日本人は実はお金持ち、どんどん使いましょう」→「そうは言っても不安です」→「その不安を取り除くためには」という流れで展開していきます。この本は日本人個々に向けて書かれたものですが、国を動かしていく政治家、役人、企業の経営層が読まないと、この本の本当の効力が発揮されないような気がします。優秀な政治家や役人が少ない(優秀な人はいるが集団になると既得権益の絡みで動けなくなる)という現実もあり、前途は多難としか言いようがありません。大前さんが東京都知事になっていたら少しは変わったかな?(^-^)/