ゴルフはご承知の通り、いかに少ない打数でボールをグリーン上にあるカップに入れるかを競う競技です。しかし、仲間内でプレーする場合などは、これとは別に「オリンピック」という遊びを伴う場合があります。これは、いかに遠くからパットを沈めるかを競うもので、ポイント制(一部減点も有り)です。マージャンと一緒でプレーヤー間でルールが微妙に違う場合があったりするので、事前に確認しておく必要があります。筆者がジャカルタで経験したルールについて備忘録代わりに書いてみたいと思います。
<基本ルール>
4人でプレーする場合、グリーンにオンした時点で、カップに近い方から1点(通称・鉄)、2点(銅)、3点(銀)、4点(金)の権利が与えられる。1パットで沈めた場合、そのポイントが与えられる。更にグリーンの外からチップイン(0パット)した場合、5点(通称・ダイヤモンド)が与えられる。この場合、残り3人のプレーヤーのポイントは、カップに近い方から2点、3点、4点となる。
3人プレー時には、近い方から2点、3点、4点、または1点、2点、3点、と点数を固定してしまう方法と、竿の長さ(ピンの棒の長さ)の位置に4人目のプレーヤーがオンしたものと仮定して(通称・影武者)点数を決める方法がある。
例えば竿の長さが2mとして、カップから50センチの位置にAさん、1mの位置にBさん、3mの位置にCさんがオンした場合、Aさん1点(鉄)、Bさん2点(銅)、Cさん4点(金)となる(影武者が3点(銀)の位置にいるという解釈)。3人プレー時に後述のストレートを有効にしたい場合は、この影武者を入れる必要がある。
<役モノ>
通常はプラス3点だが、役によってプラス5点とするルールもある。
・砂イチ
バンカーから出した後、1パットでカップに沈めた場合に適用。通常はバンカーから1打で出した場合のみ適用(同じバンカーから2打以上かかって出した場合はダメ、別のバンカーに移った場合はOK)。
なおバンカーからのチップイン(砂ゼロ?)に関しては、ダイヤモンド5点+砂イチ3点=計8点を与えるのが一般的だが、ダイヤモンド5点のみとするルールや(砂ゼロは砂イチではないから)、前述の8点よりも高得点を与えるルール(砂ゼロは砂イチより更に難しいから)もあります。
・竿イチ
竿の長さよりも遠い位置にオンした場合、竿イチ宣言をすることによって適用。宣言をして1パットで沈めるとプラス3点。ただし3パットしてしまうと逆にマイナス3点となる。ボールの位置が竿の長さよりも遠ければ、グリーンの外から竿イチ宣言をすることも可能。入るとダイヤモンド5点+竿3点=8点となる。
・バーディー賞
通常3点だが5点とする場合もある。なおイーグル賞は通常バーディー賞の倍となる。
・ニアピン賞
ショートホールで一番近い位置に1オンした人が権利を得る。2パット以内で沈めれば3点(パー縛り、ボギー以下は適用外)。ただし1オンしなかった他のプレーヤーが、権利者と同じか、より良いスコアで上がった場合は適用されない(通称・消し)。
該当者がいない場合(誰もオンしなかった場合)、権利者が3パット以上した場合、前述の消しルールによって消された場合は、次のショートホールにキャリーオーバー(次のホールは3点+3点=6点)となるのが普通。
<フォーカード・ストレート>
・フォーカード
カンとも呼ぶ。同じ得点が4回揃うと、その合計点数を追加(倍付け)にする。例えば鉄1点が4回ならプラス4点(合計8点)、金4点が4回ならプラス16点(合計32点)。
ただし竿イチなどの役モノの点数は使えない。
・ストレート
一気通貫(イッツー)とも呼ぶ。鉄1点、銅2点、銀3点、金4点が揃うと、その合計点数を追加(倍付け)する。つまりプラス10点。更にダイヤモンド5点まで含まれるとプラス15点。
ダイヤモンド5点をワイルドカードとして利用できるルールもあり、その場合はワイルドカードを使わないストレートを15点、使ったストレートを10点、というように点数に差を設ける場合がある。
前述のフォーカード同様、役モノの点数は使えない。
<特殊ルール>
ジャカルタでゴルフをした際に、まれに適用されるルール。特殊なルールなので、必ずプレー開始時にプレーヤー間で確認があるはずです。
・強制竿イチ
前述の竿イチルールを本人の宣言無しに強制的に適用する。したがって、カップから遠い位置にオンした場合などはマイナス3点となる可能性が高い。
・チキンハート
竿の距離より遠い位置にオンした場合に適用される。パットがカップよりショートした場合マイナス3点となる(入れるか、オーバーしないとダメ)。
・淡谷のり子
グリーンにオンしないで、エッジで止まってしまった場合、マイナス3点となる。
<計算方法>
いくつかやり方がありますが、筆者が一番シンプルで分かりやすいと思った方法をご紹介します。
・4人プレー時。Aさん3点、Bさん6点、Cさん11点、Dさん12点の場合。
1. 得点が一番低い人を0点とし、全員の点数を再計算する(全員の点数から、一番低い人の点数を引く)。
→Aさん0点、Bさん3点、Cさん8点、Dさん9点
2. 全員の点数を足して総点数を出す。
→0+3+8+9=20点
3. 0点の人(この場合はAさん)は総点数分のマイナスが確定。
→Aさんマイナス20点。
4. 0点以外の人は、(自分の点数)×(参加者人数)−(総点数)を計算する。
→Bさん 3点×4人−20点=マイナス8点
→Cさん 8点×4人−20点=プラス12点
→Dさん 9点×4人−20点=プラス16点
5. 念のために全員のプラス、マイナスを足して0になるか検算をする。0にならない場合は、どこかで計算を間違えているので再計算する。
→Aさん(-20)+Bさん(-8)+Cさん(12)+Dさん(16)=0
・3人プレー時。Aさんマイナス5点、Bさん1点、Cさん4点の場合。
1. 得点が一番低い人を0点とし、全員の点数を再計算する(この場合はAさんがマイナスなので、全員を底上げしてAさんを0点とするように調整)。
→Aさん0点、Bさん6点、Cさん9点
2. 全員の点数を足して総点数を出す。
→0+6+9=15点
3. 0点の人(この場合はAさん)は総点数分のマイナスが確定。
→Aさんマイナス15点。
4. 0点以外の人は、(自分の点数)×(参加者人数)−(総点数)を計算する。
→Bさん 6点×3人−15点=プラス3点
→Cさん 9点×3人−15点=プラス12点
5. 念のために全員のプラス、マイナスを足して0になるか検算をする。0にならない場合は、どこかで計算を間違えているので再計算する。
→Aさん(-15)+Bさん(3)+Cさん(12)=0
得点が一番低い人を0に合わせなくても計算は可能ですが、数字が大きくなって計算が面倒ですし、マイナスなんかがあると更に面倒です。ゴルフ終わった後はビール飲んで酔っ払ってたりしますから(笑)少しでも計算しやすいこの方法がおすすめです。