その昔、オールナイトニッポンという深夜ラジオにはまっておりました。あれは確か中学生の頃。金曜日のパーソナリティーに鴻上尚史さんという方がいまして、今聞くと懐かしい「10回クイズ」とか「究極の選択、どっちを選ぶ」なんてコーナーをやってたのですね。
僕は純粋にそんなコーナーや鴻上さんのしゃべりが面白くて、翌日学校があるにも関わらず(学校って土曜日もあるんですよね)午前3時まで聞いていたものです。その人が第三舞台という劇団の主宰をやっていたり、第三舞台には優れた役者さんが所属している、というようなことは後から知ったことでした。
僕が「芝居」「演劇」というものを認識するようになったのも、この鴻上さんの存在がきっかけでした。特別芝居にはまったわけではありませんが、ドラマに出てくるこの役者さんは元々どこどこの劇団出身だとか、そういう見方をすると、これまた結構面白いもので。あるいは「朝日のような夕日をつれて」といった鴻上さんの作品を大学の演劇部がやっているのを見たこともあります。「スナフキンの手紙」など、本も何冊か読みました。
そんな彼の溢れる才能というか、表現しきれない妙な魅力、というものを今日は再確認してきました。当然役者さん一人一人のパワーがあるからこそ、あれだけの表現が出来るんだろうと思うのですが。プロの役者のパワーというものも同時に認識せざるを得ませんでした。まぁ、そんな難しいことを言うまでも無く、2時間ちょっとの時間が本当に楽しく流れていったことは紛れも無い事実です。
なんでも今回の公演を最後に10年間第三舞台を封印するんだそうです。しかし鴻上さん自身がパンフの中で書いているように、今後10年の間に、過去20年間活動を続けてきたこの劇団に対して思ったことや感じたことなどを、ご本人が、そして芝居を演じた役者さんたちが、あるいは我々聴衆の側も、いろいろと世の中に向けて発表していくんだと思います。そうすることで過去を否定するわけではない、何か新しい展開へ向けた期待を包含した充電の10年間にすることが出来るのではないかと。そう鴻上さんは考えているのではないかなと勝手に解釈してみました。
ま、鴻上さんも忙しい方ですから、ちょっとお休みしても良いんじゃない?とも思いますが。あるいはもう一度ラジオに戻ってきてくれたなら・・・、なんて仮定法過去の感情が頭の中を過ぎったりもしましたが。いい年して深夜まで聞いて、ハガキやら書いて送ってしまいそうな自分が、まだここにおります。
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