【60】たまには書評でも

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筆者が尊敬する人ってあんまりいないのですが(爆)その数少ないうちの一人、鴻上尚史さんが書いたエッセイ「恋愛論」について、ちょっと書いてみたいと思います。筆者は恋愛関連の相談を受けたり、酔っ払って色恋沙汰の話をしたくなったりするとしばしばこの本の中身を引用したりもします。そしてそういう相談をしてきた人(特に女性)にはこの本をプレゼントすることが多いです。これまで通算何冊くらい買ったかな・・・。先日も古本屋さんで偶然この本を見つけて買ってしまいましたので、現在我が家には2冊の在庫があります(笑)。

筆者はこの「恋愛論」という本を「恋愛のバイブル」と呼んでいます。もちろん、もっともっと論理的に恋愛について語った本もあるんでしょうし、筆者の読書量ってのが絶対的に足りないというのも分かってはいるのですが、それでもやっぱりバイブルと呼びたいと思うんですよね。それは、著者の鴻上氏が昇華してきた様々な経験を通して、いろんな恋愛の形を提案(あるいは紹介)しているところにこの本の真髄があると思うからです。

バイブルと言っても「こうすれば恋愛は上手く行く」とか、そういう解法を書いているわけではないのです。そんなのは普通の週刊誌かなんかに任せておけば良いことです。むしろ矛盾する二つの恋愛の軌跡を双方とも肯定的に紹介したりしています。つまり「恋愛に答えはないので!」ということを、柔らかく、かつ面白おかしい文章の中から読み手である我々に残酷に通告しているだけなのです。

「ノルウェイの森」を読み「失楽園」を読み「冷静と情熱のあいだに」を読んでも決して導き出せない回答(無限解ですが・・・)が導き出せるでしょう。角川文庫で480円、お勧めでございます。

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このページは、もりもりが2002年9月10日 02:30に書いた記事です。

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