【125】工業団地のヤギ

| コメント(0)

ジャカルタに来て4ヶ月が経ちました。結構忙しいです。仕事ですから当然なのですが(苦笑)。特に月末が近づくと、数字が気になってしまうのは営業職の宿命でしょうか。短期で見ると、この忙しさが数字に必ずしも直結しないのが辛いところ。その一方で、立場上、自分の数字が会社の数字に直結しています(超爆)。

お客さんはジャカルタ中心部から近郊まで、かなり広い範囲に散らばっています。その中でも特に足を運ぶことが多いのがジャカルタ東部のエリア。このエリアには高速道路沿いに工業団地が複数造成されており、週5日のうち3〜4日は工業団地内をうろうろしています。今日もその中の一つ、MM2100という工業団地に行っていました。お客さんを訪問した帰り、ふと車窓の外を見ると、道路の端をヤギが歩いていました。初めて来たときには、工業団地の中を馬やら牛やらが我が物顔に歩いていることに驚いたものですが、今では特に驚きもしません。普段通りの景色として眺めていたのですが・・・、ヤギからふと思い出したことがありまして。

もう何年前になるでしょうか・・・、ある人から聞いた話。その人は友達数人とネパール人の留学生の実家に遊びに行ったそうです(全員女性)。現地での様々な経験はとても貴重で楽しかったようで。そんな経験の一つで、みんなでヤギの散歩をさせたそうです。家畜として飼っているヤギを友達数人で「かわいいねー」とか言いながら。そしてその日の夜、夕食の時間になり、出てきたのがヤギ肉のシチュー。そう、先ほど散歩させていたヤギが今夜の食卓に並んでいたのでした(爆)。一緒に行った人の中には「そんなの食べられない!」と言って結局食べなかった人もいたそうです。ちなみに筆者にその話をしてくれた人は「うまい、うまい」と言って食べたそうで(^-^;)。

この話を聞いた時に、どんなことを感じるものでしょうか。ちなみに筆者は、この話を自分に聞かせてくれた人、つまり「うまい、うまい」と言ってシチューを食べたその人を、ある種の尊敬を持って見ていました。たくましい人だなぁと。

自分がその立場にあったら、やっぱりちょっと胸が痛くなるんじゃないかなとも思います。しかしその一方で、普段から我々は牛肉やら鶏肉やらを食べて生きているわけです。形がハンバーガーやチキンナゲットになったところで、その裏側にはシチューで出てきたヤギと同じ立場の、家畜の牛や鶏がいるわけです。胸を痛めることも人として重要なことではありますが、人としてもっと重要なのは、その命の大切さを知った上で美味しく食べることなのではないかと。筆者がその女性をたくましいと思ったのは、そういう理由からです。

工業団地のヤギを見ながら、何故か突然、そんなことをふと思い出したのでした。

コメントする

月別 アーカイブ

OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 7.7.1

この記事について

このページは、もりもりが2004年9月 2日 01:38に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「【124】言語表現の難しさと大切さ」です。

次の記事は「【126】長銀カード→新生カード→そして??」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。