【348】クレジットカードの知識(第2版)

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年末年始に日本に帰りましたが、やはり久々に家族や友人と会うことが出来たことが大変有意義でした。今回は実家に長く滞在する日程を組んだので、伊賀上野の友人や京都の友人とゆっくり会える時間が取れた一方、東京での日程が窮屈になってしまったのが反省点でした。日本出発が近づくにつれて、いろいろ予定を詰め込んだので、特に日本最後の夜に、もうちょっと気を利かせなきゃいけなかったなと思うこともあり・・・。

それはさておき、一時帰国の収穫として、一冊の本をご紹介したいと思います。日経文庫「クレジットカードの知識」第2版は、1997年に出版された同名初版の改訂版です。改訂版とは言っても、中身はごっそり変わっています。筆者は初版を持っていますが、ちらっと立ち読みしたら中身が全然変わっていたので、その近くにあった日経トレンディ(クレジットカードの特集記事が載っていたから)と一緒に買いました。

・統計データが新しく、かつ豊富に
→信用供与額の推移や、収益源の統計など、資料としても価値あり。
→収益源に関連して、アクワイヤラー、イッシュアーの分業についての解説や、銀行系カード会社の加盟店手数料による安定収益(=アクワイヤラーとして)について言及している点は面白い。

・法律問題に触れている
→タイムリーなところでは利息制限法と出資法の問題など。
→割賦販売法における支払い停止の抗弁権に関する記述(本来1回、2回払いには適用されないが、実質同様の措置が執られていることなど)は消費者の立場として一読の価値あり。

・新しい市場や技術に触れている
→インターネット取引、ETC、公共料金の支払いといった新市場について。
→Suicaの普及の話に絡めて現金ハンドリングコスト削減について言及している点が興味深い。

まぁカードのヘビーユーザーの方々にとってみれば、収益源の話とか、支払い停止の抗弁とか、基本中の基本かもしれませんが(え、違いますか? ^^;)。初心者とヘビーユーザーでは、本の中で注目するポイントが違うとは思いますが、どちらの方にも薦められる良い本です。ところどころ業界人の立場としての提言だな(クレジットカード業界の利益を擁護、保護すべき立場だな)と思われる部分もありますが、カードユーザーとしては、カード会社の立場や考え方を知ることも大切だと思うので、それはそれでかまわないと思います。

欲を言えば、第2版になって、クレジットカードの黎明期に関する記述がごっそり削られているので、そもそもアメリカで生まれたクレジットカードがどうやって日本に入ってきたのかという経緯や(住友クレジットサービスが日本で初めてVISAを扱うことになったとか)、各カード会社の成り立ち(富士銀行とJTBが日本ダイナースクラブを作ったとか)などに興味がある方は、初版を探して読まれると良いでしょう。筆者も持っていますが、現在生憎実家の荷物の山の中です(爆)。

言いたいことは他にもいろいろあるのですが、このへんで(笑)。しかも案外「クレジットカードのすすめ」に書いた内容とかぶることも多いみたいで。もう10年近く前に書き始めたページで、最近全然更新してませんが、根本的なところって変わってませんからね。まだ読んだこと無い方は一度読んでみてもいいかも。

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このページは、もりもりが2007年1月14日 23:50に書いた記事です。

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