【365】外向けより、まず内向けかな

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先日NHKで「情報発信に世界が動く」という特別番組を放送していました。番組は、中国の放送が南太平洋のバヌアツで視聴されている、という導入部から始まります。国際展開でリードするCNN、BBCの2巨頭がいる一方で、中国のほか、フランスやカタール(アルジャジーラ)が、国を挙げて自らの視点に立った放送を展開し、米英の価値観とは違う視点での情報発信を始めており、日本としては、情報発信を今後どう考えていけば良いのか、といったあらすじでした。

基本的に筆者はNHK大好き人間なのですが、この番組を見ながら、何かすっきりしない感覚を覚えていました。何かが違うというか・・・。その時はうまく頭がまとまらなかったのですが、今日、花岡信昭氏のコラムを読んで「そうそう、オレが思っていたのはこれだよ!!」と納得しました。一部を引用しますと、

> NHK再生の切り札は、あれだけ多くの波を持っているのだから、一つぐらいは「日本版CNN」としてニュース専門チャンネルにすること以外にないと思われる。世界中に取材網を張り巡らしているのだから、これができるのはNHKしかない。

いかに日本の情報や主義主張を発信していくか、ということの前に、その全く逆のことをやってもらうことは出来ないでしょうか?いや、日本はそれをやらなくてはならないのではないかと思います。主義主張を発信する前に、まず世界で何が起こっているのかを日本人が見て、考えて、それからでないと発信なんて出来ませんよね?筆者が違和感を覚えたのは、発信する前の段階が不十分(筆者はそう考えています)なままで、世界への情報発信云々という議論をしていたことが本末転倒だったからなのでしょう。あるいはその段階無しに発信に踏み切ったとしたら、結局右寄りの政治家の意見だけ(失礼)が日本の主義主張、となってしまうような気がして、少々心配です。

CNNとかBBCも同時通訳とかついてたような気がしますが、やっぱり世界各地にいる日本人特派員が見て感じた意見を、現地から日本語で送って、それを日本語で放送することに意味があるんじゃないかと。キャスターはピーターバラカンでもクリスペプラーでも良いから(笑)。でもやっぱり日本語で是非。外向けの英語放送を頑張る前に、内向けの方が先じゃないかなぁ。

ちなみに前出の花岡氏のコラムは、NHKのことだけを書いているのではなく、テレビ自体をあまり見なくなったし、見なくても困らない、というような内容です。実は筆者も、元々あまりテレビを見ない人なので、ジャカルタに来て民放が全く見られなくてもあまり不便を感じていません。このコラム、筆者にとっては「そうそう、まさにその通り!」という内容でした。

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このページは、もりもりが2007年3月30日 23:34に書いた記事です。

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