筆者がクレジットカードを使うのはどういう時か、それは「買い物をする時」である。なんだそんなの当たり前じゃないか、と思われる方も多いでしょう。しかしカード会社から見れば、「買い物をする時だけ」しかカードを使ってくれない客は、良い客とは言えないのかもしれません。
実はクレジットカード各社は、利益の大半をキャッシングやリボ払いの利息から得ており、カード会員が加盟店で買い物をした際に得られる加盟店手数料は主たる収入ではなくなっています。そんな事情もあって、各社は最近「リボ払い」や「キャッシング」の利用残高を増やすことに一生懸命です。リボ払い専用カードを発行したり、リボ払いに対するポイントの優遇、あるいは提携ATMの数やキャッシング関連の各種サービス(海外旅行時のキャッシング、電話一本で口座へ振込、など)をアピールして、いかに簡単に借りられるかをアピールしています。
そんな中で、先日クレディセゾンの会員報に載っていた広告が面白かったです。
「セゾンのキャッシングは、最寄りのセゾンカウンターなどで、いつでもご返済いただけます」
例えばキャッシングした翌日にセゾンカウンターに出向いて返済すれば、日割り計算で返済できるので、1万円キャッシングした場合は金利7円だけ。105円払って銀行のATMを使うよりも、キャッシングの方が安く済んじゃうんですね。
利率に関して言うと、クレジットカード会社のキャッシング利率は20%台半ばのことが多く、銀行系ローン会社などが10%台半ばの利率をつけていることを考えても、決して低金利とは言えません。そこでセゾンは「いつでもご返済いただけます」というふうに「返しやすさ」をアピールすることによって、借りる側に安心感、つまり「借りやすさ」を印象づけようとしたのだと思います。これは上手い戦略だなぁと、広告を見て独りで唸っておりました。「返しやすさ」の視点は、消費者、特にお金を借りることに抵抗、恐怖感を持っていて、まだお金を借りていない人達、つまり開拓余地のある人達に対する有効なアピールになるのではないかと思います。
とまぁ、カード会社の戦略は分かっているのですが、筆者は今後も「買い物をする時だけ」しかカードを使わない招かれざる客(=賢い消費者 ^^;)でありつづけることでしょう。
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